今の私は一週間前のあなた
修也が死んだのに
毎日を笑って過ごすみんなが許せない!
なんて、思わない。
思わないけど…
私は、私が修也を忘れて笑う日が来る事が
怖かった。
哀しかった。
辛かった。
愛妃ちゃんが今も学校に通っている事。
それは当たり前かもしれないけれど、
私は当たり前の日常を捨てても別によかった
『あんたのせいで!』
頭の中に修也のお母さんの声が響く。
自分を恨んで償いをしたいわけじゃないし、
悲しいと嘆くだけの毎日だって嫌だ。
…それでも
現実から目をそらしたかった
私の未来にあるであろう可能性を捨ててでも
修也に隣にいて欲しかった
〜
気がつけば目の前に高校が デン と構えるように佇んでいた
うちの高校は大きいわけじゃない。
生徒の人数もそこまで多くない
けれど、
みんなが毎日を
真剣に
必死に
生きている高校だと思う
私はカバンからスマホを取り出して
昨日、愛妃ちゃんから来たメールを読み返していた
“高校に9時”
示された時間の15分前
計算していた時間より5分ほど早く着いてしまったみたいだ
どうにか時間を潰すかと私はスマホをスライドして写真フォルダを眺めた
最後に撮った日の日付は11月28日
修也が死んだ日の前日である。
新しい写真をデコレーションできる人気アプリをSNSに投稿したいと愛妃ちゃんが提案したため
四人で撮ったものだ
修也を
中心に
みんな、笑っている
それを見て自然と頬が緩んだ
「…あ!…あいの、ちゃん?」
そこでふと、名前を呼ばれ、そちらを見た
「藍乃ちゃん!!!」
名前を呼んだ彼女が私向かって全速力で走り出し
勢いよく抱きついて来た