今の私は一週間前のあなた
「…愛妃…ちゃん」
抱きとめるように腕を軽く愛妃ちゃんの背中に回す
彼女の丸い大きな瞳は濡れていた
「…ばか…ばーか!藍乃ちゃんのばーか」
私を貶す言葉とは裏腹に愛妃ちゃんの声は震えていて
私を強く抱きしめる手が温かく感じた
キュッと掴んで離さない彼女から視線をあげると
愛妃ちゃんの後ろに…
「…進…」
彼は眉間にしわを寄せて哀しそうな涙を堪えているように私に歩み寄る
「1ヶ月も姿を隠しやがって。愛妃がどんだけ心配したか知ってんのか?!
俺の彼女を悲しませるんじゃねーよ!」
息がうまくできなくて
心臓が苦しくなって
目頭が熱くなった
「…ふたりとも…ごめん」
心配…してくれてた?
私を…?
だんだんと心が温かくなっていく気がする
愛妃ちゃんの震える私を抱きしめる手と
進の涙を堪えるような目が
ガツンという
ハンマーで殴られたような
衝撃を与えた