女ノ敵系男子 黙示録



セクロスはいい

お互いの欲を獣のように解放する


生きてるって謎の感覚が芽生える


俺はやっぱりセックスが好きだ



いや嫌いな奴はおらんだろう

特に男なら。



だがこれは一夜の物語。


やがてくる絶頂を終えた頃、
俺は必ず後悔する


俺はセックスは好きだけど女はやっぱり嫌いだ


簡単に股を開く女は扱いやすくて好ましいが
彼女にするかと言われたらそれはノーだ


俺の心の隙間を一瞬だけ埋めてくれるんだ セックスは。


この頃は気付いてなかったが後になって俺はガキの頃から母親しかいなくて歯がゆい思いも多分してきた。
母親からもこれと言った寵愛は受けなかった

無造作に投げやられた生活費だけで親の顔は週に一度見れればいい方みたいな生活が続いた


妹もグレて家出したし。


そんな家庭のせい…?かな。


空いた寂しさをセックスで埋めてたんだと思う


なんとも身勝手な事だ。


今となっては当時食い荒らしてきた女達には申し訳ない


なんて過去の自分を振り返ったところで話を戻す



俺は正体不明の喪失感や認証欲求 悲壮感を性欲に変えて女に当たり散らした。









賢者なう。


男はたかだか少しの液体を放出すれば人格がコロッと変わる不思議な生き物だ


いつもならさっさと女を追い返して寝るんだが今日はなんだが…

誰でもいいから温もりを提供して欲しいと願った


何か満たされない俺の心の隙間を埋めて欲しいと



でも分かってる


それを埋めてくれるのは多分ミキじゃない


ミキはいい子だ

たまにこういう子に当たるのが俺は一番辛いかもしれない


情が移りそうになる


だがそれはやっぱり気の迷いだと俺は知ってる


こうして付き合った女は過去に数人だがいる


だがやっぱり全てうまくいかない


ミキが悪いとは言わない。
多分俺が悪いんだと思う

必ず最後にはミキを捨ててしまうだろう


その時に情があるとミキの心は勿論だが俺の心も傷付く


本当に身勝手でずるいやつだ…
分かっている。


だけど俺は中毒なのだ


俺の心は女でしか癒せない


服用する度に更に傷を増やす タバコやアルコールみたいなものだ


今日も俺は心を擦り減らす



おそらくもう会うことはなくなるであろうこの小さい背中を力強く抱きしめながら朝が来ないで欲しい事を祈る。







朝になった

あ、そういや昨日寝たのか…


いやまあ俺は女より先に寝ることがまずないのだ

なぜなら女を信用してないから


女の中にはたまにとんでもない奴もいる


多いのは俺の携帯を勝手に見る奴だな


ロックかければよくね?なんて言うが

ロックをかければそれはやましい事がありますよって言う証になる

いや実際そうだけどさ…

なんとなく俺はロックをかけない

女ごときにやましい事があるなんて思われるのも癪だし
てか解除する時めんどいてのが一番かも…


それと、ごく稀にだが俺の財布に手を伸ばす手癖の悪い奴もいる


だから俺は寝ない

だがミキの前では寝てしまった


…やっぱりミキは俺の中で嫌いなカテゴリーには入らないのかもしれない


だがミキは朝起きると居なかった


代わりに携帯に一通のLIMEが入っていた



"今日は帰ります。ご飯ありがとう!

…やっばりわたし、らん君とは一緒にいれません
いい人だなっては思うけど…
他にいっぱい女の人がいるのは知ってます
わたしはそれも嫌だし 多分らん君、誰か好きな人いると思う。
ずっとわたじゃない誰かを見てたような気がしました。

なんか勝手なこと言っちゃってごめんなさい。
嫌な気持ちになっちゃったらLIME消してもらっても構いません。

今日はありがとう"



うん。
やっぱりこいつは馬鹿なんかじゃなかった。

ミキはいい女だ

俺のいい女リストに殿堂入りとして記録しておこう


お互い火遊びが過ぎたのだ。


大火事になる前に折り合いを付けるのも一つの男女の仲だろう


後味のちょっぴり苦い失恋…?
となった。

だがやはりこの経験はいい経験であった。



女は馬鹿だ。
一部例外を除いて。





ガラッ!!


「おはよー!!らんー!」


ドタドタ!!


俺の部屋が乱暴に開け放たれる


こんな無礼な振る舞いとこの聞き覚えしかない声は幼馴染の特権であろう。



「おはよ!らん!って!!なんで裸なの!?」


いやいや…おめーが勝手に入ってきたんだろ…


「てか起きてたんだ。 やばーらんのちんちん久しぶりに見た笑」

「女の子がちんちんとか言うな。 てか勝手に部屋上がんな。てかもっと恥じらいを持て!!普通ぎゃー!!とか反応あるやろ!」

「えー?だってー…らんとは小学生の頃までよく一緒にお風呂入ってたじゃん!
もー見飽きたし笑」

「うるせえ!それ人前で絶対言うなよ!」

「えー?なに照れてんのー?てかさー、この部屋女くさいんだけど。また呼んだの?」

「んー…まあフられたけど」

「そりゃヤリチンはやだよねー笑」

「…だよな。」

「なに?なんか元気ないね。話聞こうか?てかその前にパンツくらい履こうよ。」

「ん…まあ…こんな話できるのもおとくらいなもんやしな…あとで話すわ」

「えっ。なんからんが素直で気持ち悪いわ…熱でもあるの?」

「…あーもうるせえなあ…とりあえず飯…」


「なにそれ!わたしは飯炊きかっての!!」


男性器を見て動じもせず口を聞いてくれる幼馴染てのも…
俺は嫌いじゃないのかもしれない。
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