本日、結婚いたしましたが、偽装です。
「……完璧なカップルだ、完璧な」
佐藤は、何やらそうぶつぶつと言っている。
……何言ってんだ?
「はあ?全然、完璧じゃないがな。もう一回、やり直しだ」
俺は、低い声でそう言った。
「ほえっ!?」
すると佐藤が、そう素っ頓狂な声を出して驚いたようにこちらを向いた。
「さっき頼んだ納品書、合計金額が間違っていたぞ。それから商品企画と連携して今度大手のメーカーにプレゼンする時に使う、資料。これはなんだ、分かりにくいったらありゃしない。向こうは、俺たちと仕事すんのが今度のプレゼンが初めてという人がいるんだ。伝わりやすい的確な言葉と分かりやすいグラフにしろと言ったはずだ。ちゃんと前もって渡した参考資料、よく目通したのか?」
俺は淡々とそう言って、佐藤の顔の前に納品書と資料を突き出した。