本日、結婚いたしましたが、偽装です。
突如佐藤の叫び声が、聞こえた。
俺はびくりと肩を跳ね上がらせる。
っ、びっくりしたな……。
どうしたんだ?
『ないないない』と言っていたが、もしかして何か失くしたのか?
俺は寝室のドアを開けると、リビングに出る。
「何が無いんだ?」
「ひゃう!」
佐藤が素っ頓狂な声を出す。
……そんな、驚かなくても。
先ほどの緊張している様子とどこか違う佐藤に小首を傾げ、眉を寄せる。
俺は寝室のドアを閉めてからゆっくりでも早くもない速さで歩いて、佐藤が座るソファーに近づく。
そして、佐藤の数十センチくらい離れた隣に座った。
佐藤は、かすかに頬を赤くして俺のことを見つめていた。
今日は普段より多くその瞳に写してくれることに俺の意識は歓喜の舞を踊っていた。
佐藤の気配を身近に感じ、手を少し伸ばせば触れられる距離に俺の気持ちは昂ぶる。
……ああ、こんなに近くにいて、ヤバイな。
いつも思っていたけど、やっぱり佐藤は可愛いな。
ああ、マジで可愛過ぎてやべえ。
佐藤の可愛さは語彙力がなくなるほどのものだった。
『ヤバイ』という言葉しか出てこない。
……ほんと、ヤバイ。
「さっき、何が無いって言ってたんだよ?」