本日、結婚いたしましたが、偽装です。


「おい、佐藤?」


俺は黙り込む佐藤の顔を覗き込む。


俺が佐藤の目を見ようとすると、佐藤は気まずそうにさっと逸らす。


……ん?どうして、逃げんだよ?


俺は少しやけになって、佐藤の目を追いかけると逃がさないというようにじっと覗き込む。


「佐藤、本当のことを言え。一週間前から全く食べてないのか、それとも一応食べれているのか、正直に言え」


俺は真剣に、佐藤に迫る。


佐藤はしばらくの間、当惑したように視線を揺らしてから俺の“しつこさ”に観念したのかおもむろに口を開いた。


「課長の言う通りです…。一週間前から、ちゃんとしたご飯は食べていません。仕事とかしなきゃいけないと思って、スナック菓子は食べてますけど。でも、ここ二日は、本当に食欲が全然無くて、飲み物しか喉を通らなくて、何も食べていません」


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