私の恋愛事情。〜アノ人と巡り会うまでは〜
「――話、もう終わり?」

低くて、冷たい声。

振り向けば、そこには玲斗が立っていた。
目の奥が、怒りと焦りで揺れている。

「お前、咲桜をまた泣かせたら、今度は絶対に許さない」

「は?別にお前に――」

「あるって言ってんだろ」

玲斗が一歩前に出た瞬間、凌が拳を握った。

「なんなんだよ、お前。咲桜はお前の所有物じゃねぇ」

「違う。俺は――こいつを、誰より大事に思ってるだけだ」

玲斗が私の腕を引き寄せる。その手は、さっきより強くて、熱かった。
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