クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「坑道の中に建物が?」

ここより規模の大きい西側の鉱山でも見かけなかったけれど……。

ハルトマン院長はその建物に問題があると言い出した。

「中をご覧頂きたいのですが、まずはイザーク、お前が行って念のため安全を確認してこい」

「はい」

イザークは院長の命令に従い、小屋に向かうと扉の前で腰に帯びていた剣を抜いた。

それから扉を開き中へ入って行ったのだけれど、直ぐに扉の前に戻って来た。

「ハルトマン様、異常は有りませんでした」

「ご苦労。公爵夫人、ヘルミーネ様、安全が確認出来ましたので、後入室ください」

「ええ」

ヘルミーネ様は姿勢を正し、堂々とした足取りで進んで行く。

イザークが再び小屋の中に入り、その後をヘルミーネ様が続く。

私もその後を続こうとしたのだけれど、院長が動こうとしない事が気になった。

「ハルトマン院長、あなたは入らないのですか?」

「私は最後に入ります」

「そう……」

再び違和感を覚えながら私は小屋の中に一歩踏み出す。その瞬間背中に強い衝撃を受け、私は勢いに抵抗出来ない
まま前を歩くヘルミーネ様に激突してしまった。

「きゃあ!」

ヘルミーネ様の悲鳴と同時に、彼女共々床に倒れる。

と同時に扉の軋む音が聞こえ、辺りは暗闇に包まれた。
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