クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「ヘルミーネ様、大丈夫ですか?」

私は慌てて彼女に手を差し出した。

「……足を捻ってしまったようです。失礼致します」

ヘルミーネ様は悔しそうに言うと、私の手を掴む。

力を入れて引き上げると、足が痛むのか顔をしかめながら立ち上がった。

「その先の部屋に椅子がありました」

イザークの言葉に頷き、ヘルミーネ様を支えながら奥に進む。

小さな部屋には簡素な机と椅子が二脚。壁一面には棚が設置されていた。

「イザーク椅子を引いて。ヘルミーネ様ゆっくり座って」

「はい、申し訳有りません」

なんとかヘルミーネ様を座らせると私はほっと一息ついた。

「ここは何の部屋なのかしら」

独り言のように呟くと、イザークが答えた。

「採掘作業に使っていた訳じゃないと思いますよ」

その言葉にヘルミーネ様が同意する。

「そうね。だけどここで発掘をしていたのは確かだわ。突き当たりの壁にその形跡が有ったし、その棚にあるのは鉱石だもの」

ヘルミーネ様は部屋の中に視線を巡らせながら言う。

「ラウラ様の気にしていた子供達はいないようね」

「ええ」

私は浮かない顔で頷く。

イザークの言う通り、私達はハルトマン院長に騙されてしまったのだろう。

子供達が居るといっていたのもきっと嘘。

溜息を吐いていると、ヘルミーネ様に呼びかけられた。
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