クールな公爵様のゆゆしき恋情2
私達はヒルト男爵自らに館二階の奥にある、広々とした客間に案内された。
ヒルト男爵はアレクセイ様にとても気を遣っているようだ。少し恐れているようにも見える。
アレクセイ様が少しでも機嫌の悪そうな顔をすると、あからさまにびくりと肩を震わせる。
よほど小心者なのだろうか。
そんなことを考えている内に部屋を案内し終えたヒルト男爵は、アレクセイ様と私に何度も頭を下げてからそそくさと部屋を出て去っていった。
身の回りのことを手伝ってもらうために連れて来たアンナと他二名の侍女が荷解きをしている間に、私達はテラスに出た。
それほど見晴らしが良い訳ではないけど、遠くの山々や、採掘場から出る煙が揺れているのが見える。
景色を眺めながら、テラスに設えられてた椅子に並んで腰掛ける。
「疲れてないか?」
アレクセイ様が気遣うように声をかけて来る。
「大丈夫です」
「そうか、それなら良かった」
アレクセイ様は小さく笑うと、私の髪に手を伸ばし、優しく撫でてくる。
そうしながら私を見つめる目はとても優しい。
じっと見つめ返しているとアレクセイ様の顔が近付いて来たので目を閉じる。
そっと唇が重なり、同時に身体を抱き寄せられた。