クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「このままじゃ俺達殺される」

ルカは開口一番そう言った。
想像以上に過激な発言に、私は動揺を隠せない。

「殺されるって、誰に?」

「俺達リンブルグの子供が、鉱山の仕事を手伝っているのは知ってる?」

「ええ、院長先生に聞いたわ。十一歳以上の子は採掘場で簡単な仕事を手伝っているって」

少し前に院長から説明された内容を思い出して言う。
するとルカは、きっと私を睨みつけながら吐き出した。

「そんなの嘘だ! 真に受けるなよ」

「どういうこと? 分るように説明して」

ルカは気持ちを落ち着かせようとしているのか、大きく息を吐いた。

「……半年前くらいからリンブルグの子供はみんな鉱山に行かされてる。年なんて関係ないんだ。院長達に動けると目をつけられたら無理矢理連れて行かれて、朝から晩まで働かされる」

「院長は子供達に最低限の学問を受けさせていると言っていたけれど、それも嘘なの?」

朝から晩まで働いていたら、勉強の時間なんてとれない。

「そんなの嘘だ! 今日俺達が孤児院に居たのは、特別に半数が鉱山の仕事を早く切り上げて帰って来たからだ。全員が出かけて居なかったらお姫様が怪しむだろ? そうならない為に院長達が命令したんだ」
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