クールな公爵様のゆゆしき恋情２
偽装ってこと？
にわかには信じられない話だけれど、ルカの必死な様子を見ると、真実の可能性が高く感じる。

「院長達って言っていたわね？　偽装しているのは院長意外にもいるってこと？」

「ああ、大人たちみんなだよ。俺達をさんざんこき使う。具合が悪くても鉱山に行って働けって言われる。俺達はみんな疲れてフラフラなんだ。逃げ出しても直ぐにばれて連れ戻されるし、誰かに言いつけられない為に自由に外に出る事も出来ない」

ルカは今までの鬱憤を吐き出すように、捲したてる。もう我慢の限界なんだと、痛い程伝わって来た。

私はとにかく落ち着こうと小さく息を吐いてから、考えをまとめる。

つまりリンブルク孤児院は、孤児たちに過酷な労働を強いた上に軟禁していると言うことなの？ でも…。

「ルカはこうして孤児院を抜け出しているでしょう？それはどうして？」

「院長達が知らない抜け道があって、俺はそこから出て来てる。他にも知ってる奴がいるけど、そいつらは絶対に抜け出さない。ばれたときのことを考えると怖くて出来ないんだ」」

「院長先生が恐いから？」

私の問いかけに、ルカはゆっくりと頷いた。
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