クールな公爵様のゆゆしき恋情2
責任者達は私が聞いていることに全く気付いていないようで、次々と愚痴を吐いていく。

詳しいことは分らないけれど、私が歓迎されていないことだけは理解した。

となるとますます出て行く訳にはいかない。

彼等の話では、アレクセイ様はなぜかとても恐れられている。だから私が今の話を聞いたことを知ったら激しく動揺してしまうだろう。

静かにその場を離れる為踵を返すと、気まずそうな顔の護衛騎士達と目が有った。

口元に指を持って行き、今の話は内緒だと合図をする。

困った顔になる護衛達を引き連れて、元いた場所に戻ると、背後から声をかけられた。

「ラウラ様」

声に釣られ振り返った先にいたのは、ヘルミーネ様。

ずっと同行していたのに、話しかけられたのはこれが始めてだ。

「ヘルミーネ様、どうしました?」

何かあったのかと声をかけると、ヘルミーネ様は突然腰を折り、深く頭を下げて来た。

「ラウラ様、部下達が失礼なことを申し上げ、大変申し訳御座いませんでした。二度とこのようなことが起きないよう、部下は後ほど厳しく叱責致します」

私は驚いて目を丸くする。
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