クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「ここはあなたのような方が来るところでは無いのです。ラウラ様が来た事により今日の作業は大幅に停滞しています。本来なら視察はご遠慮頂きたいくらいでしたが、アレクセイ様の強い命令により誰も逆らうことが出来なかったのです」
ヘルミーネ様の口調は丁寧だけれど、内容は容赦が無い。
いかに私が邪魔な存在かを突きつけてくるのだから。
「確かにあなたの言う通り、私の訪問でこの採掘場の作業が通常通りに進まなくなっているのでしょう。でも、私はフェルザー公爵夫人です。フェルザー家の領地内での事は把握しておくべきだと思っています。将来的に見れば今日の視察は決して無駄ではないと信じています」
私の言葉に、ヘルミーネ様は僅かに眉を寄せる。
「公爵夫人が自ら現場に赴く必要がありますか? 状況を知りたいのなら配下のものに指示を出せばいい。そもそもヒルト家がこのリードルフの地を任せられたのは、フェルザー公爵の代官としてです。細かいことは我々にお任せ頂くのが筋ではないでしょうか?」
「でも……」
「リンブルグ孤児院についても同じことが言えます。ラウラ様が密に関わることは、私達を信頼していない証となります。」
「信頼していないわけではないわ」
慌てて否定するも、冷ややかに言い返される。
「ですが、私もハルトマン院長もそう受け取ることになります。少しご考慮頂けないでしょうか」
「……あなたの言い分は分りました。でも子供達のことは今すぐどうするか答えられません」
部下に任せず自ら坑道する私の態度をヘルミーネ様たちが迷惑に感じていることは分かったけれど、そもそもハルトマン院長が信用出来ないのだ。
強いことを言われたからといって、簡単に引き下がることは出来ない。
私がここで負けてしまったら、ルカ達を見捨てることになる。
でもヘルミーネ様には私がただの自分勝手な強情に見えるのが、美しい顔に僅かな不快感を浮かべ、視線を逸らした。
ヘルミーネ様の口調は丁寧だけれど、内容は容赦が無い。
いかに私が邪魔な存在かを突きつけてくるのだから。
「確かにあなたの言う通り、私の訪問でこの採掘場の作業が通常通りに進まなくなっているのでしょう。でも、私はフェルザー公爵夫人です。フェルザー家の領地内での事は把握しておくべきだと思っています。将来的に見れば今日の視察は決して無駄ではないと信じています」
私の言葉に、ヘルミーネ様は僅かに眉を寄せる。
「公爵夫人が自ら現場に赴く必要がありますか? 状況を知りたいのなら配下のものに指示を出せばいい。そもそもヒルト家がこのリードルフの地を任せられたのは、フェルザー公爵の代官としてです。細かいことは我々にお任せ頂くのが筋ではないでしょうか?」
「でも……」
「リンブルグ孤児院についても同じことが言えます。ラウラ様が密に関わることは、私達を信頼していない証となります。」
「信頼していないわけではないわ」
慌てて否定するも、冷ややかに言い返される。
「ですが、私もハルトマン院長もそう受け取ることになります。少しご考慮頂けないでしょうか」
「……あなたの言い分は分りました。でも子供達のことは今すぐどうするか答えられません」
部下に任せず自ら坑道する私の態度をヘルミーネ様たちが迷惑に感じていることは分かったけれど、そもそもハルトマン院長が信用出来ないのだ。
強いことを言われたからといって、簡単に引き下がることは出来ない。
私がここで負けてしまったら、ルカ達を見捨てることになる。
でもヘルミーネ様には私がただの自分勝手な強情に見えるのが、美しい顔に僅かな不快感を浮かべ、視線を逸らした。