クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「アレクセイ様は今のところラウラ様を愛し大切にしているように見えます。ですが利用価値のあるものを側室として娶るのは戦略上必要なことでしょう」
「利用価値のある者……それはどういったことでしょうか?」
勢いをなくした私に、ヘルミーネ様は微笑して言った。
「例えば私などは条件に当てはまるでしょう。フェルザー領内において重要な地方を管理する家の娘なのですから。十分アレクセイ様のお役に立てます」
「あ、あなたはアレクセイ様の側室になることを希望しているのですか?」
驚きの声を上げる私に、ヘルミーネ様は言う。
「もちろん。私だけでなく、フェルザー公爵家配下の家の令嬢はそう考えているの者が多いのではないでしょうか」
「そんな……」
ヘルミーネ様がアレクセイ様に好意を持っていることは気付いていたけれど、まさか側室の地位を狙っていたなんて。
「ところでラウラ様、アレクセイ様が今どちらにいらっしゃるかご存知ですか?」
「え……いいえ、知らないわ」
ヘルミーネ様は口角を上げて微笑む。
「そうですか。アレクセイ様が黙っていらっしゃるのなら、私の口から申し上げることは出来ませんね」
含みのある言いように、私は思わず眉をひそめる。
「あなたは知っていると言うのですが?…… アレクセイ様は今どこに?」
「あの方ならご無事ですから、その様にご心配なさらないでください。それからいろいろ率直に申し上げはしましたが、私はラウラ様に敵対するつもりなど微塵も御座いません。この先もフェルザー公爵正妻として敬うつもりでおりますので、誤解なきようお願い致します」
ヘルミーネ様は、私に対して腰を折り、礼をする。
身分高き者に対する最上の礼。
だけど、私は自分の立場がとても弱い儚いもののように感じていた。
「利用価値のある者……それはどういったことでしょうか?」
勢いをなくした私に、ヘルミーネ様は微笑して言った。
「例えば私などは条件に当てはまるでしょう。フェルザー領内において重要な地方を管理する家の娘なのですから。十分アレクセイ様のお役に立てます」
「あ、あなたはアレクセイ様の側室になることを希望しているのですか?」
驚きの声を上げる私に、ヘルミーネ様は言う。
「もちろん。私だけでなく、フェルザー公爵家配下の家の令嬢はそう考えているの者が多いのではないでしょうか」
「そんな……」
ヘルミーネ様がアレクセイ様に好意を持っていることは気付いていたけれど、まさか側室の地位を狙っていたなんて。
「ところでラウラ様、アレクセイ様が今どちらにいらっしゃるかご存知ですか?」
「え……いいえ、知らないわ」
ヘルミーネ様は口角を上げて微笑む。
「そうですか。アレクセイ様が黙っていらっしゃるのなら、私の口から申し上げることは出来ませんね」
含みのある言いように、私は思わず眉をひそめる。
「あなたは知っていると言うのですが?…… アレクセイ様は今どこに?」
「あの方ならご無事ですから、その様にご心配なさらないでください。それからいろいろ率直に申し上げはしましたが、私はラウラ様に敵対するつもりなど微塵も御座いません。この先もフェルザー公爵正妻として敬うつもりでおりますので、誤解なきようお願い致します」
ヘルミーネ様は、私に対して腰を折り、礼をする。
身分高き者に対する最上の礼。
だけど、私は自分の立場がとても弱い儚いもののように感じていた。