クールな公爵様のゆゆしき恋情2
私達が黙り込むと、今度はヘルミーネ様が口を開いた。

「アレクセイ様。今夜の会食に各代官達の令嬢が参加を希望していました。ですが、あまり大袈裟な会食にはしない様にとの御命令でしたので、今回は代官夫妻のみで、令嬢は遠慮するようにと申しつたえております」

「ああ、それでいい」

ヘルミーネ様の報告に、アレクセイ様が頷く。
令嬢が不参加な事について、何も感じていないような反応だ。

だけど私はさっきヘルミーネ様から言われた言葉を思い出してしまい、ますます気分が塞いでしまう。

フェルザー公爵の立場なら、側室の話が有っても当たり前。
アレクセイ様本人が、側室を迎えると言っている訳では無いのだから、いちいち気に病んでも仕方ないのに。
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