紅の葬送曲


え、何この状況!?




状況把握が出来ていない私の隣に寿永隊長と芦葉さんが立った。





「寿永隊長、これは一体……」




「……楠、そいつの顔を引っ剥がせ」




「了解」




寿永隊長に命じられた楠さんは押さえつけている小鳥遊さんの顔に触れると、横に思い切り引っ張った。





そんなことしたら皮膚が剥がれる──。





そう思ったけど、その剥がされた皮膚の下には小鳥遊さんとは違った外国人の顔が現れる。





「誰!?」




「……浅井、そいつが翔鷹に侵入していた紅斗の仲間だ」




寿永隊長の冷たい声が私を更に混乱させる。





紅斗の仲間が小鳥遊さんに変装して翔鷹にいた?





なら、本物の小鳥遊さんは?





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