紅の葬送曲
私は突如訪れた予想だにしない展開に、言葉が出なかった。
そんな私の姿に彼は鼻で笑った。
「さっきの威勢はどうした?……それとも、考えの甘い新人警官には翔鷹への配属は荷が重いか?根性なしが」
寿永隊長の言葉にかちんときた。
私は書類をグッと握り締めると、彼にズカズカと詰め寄った。
「……そこまで喧嘩売られたら買ってやるわ。その重荷、背負ってあげる。根性なしなんて言わせない!」
啖呵を切ると、寿永隊長は口角を持ち上げた。
「そうじゃないと面白くない。宜しく頼むよ、新しい補佐官さん」
「面白くないって──ん?今、何て?」
「君は俺の新しい補佐官として翔鷹に異動することになる」
私がこの人の補佐官?
え、何それ!意味わかんない!