また君に恋をする
少し開いたドアから見えた、紅色の浴衣。
中に入ると、総長に馬乗りになっている春翔と、ボロボロな姿で横になっている桃の姿があった。
俺は、気持ちをグッと抑えて桃の方へ進む。
「…桃、」
名前を呼ぶと、ビクっとわかりやすく反応した桃。
少し体は震えていて、また強がって我慢していることがわかった。
「遅くなってごめんな。」
はだけた浴衣を直して、桃を抱きしめる。
俺の服をギュッと握り、謝る俺の言葉に何度も首を振る桃。
小さく泣いているこいつの頭を、俺はリズムよく撫でた。
こんな小さい体、頼むからもう傷つけないでくれ。
「立てる?」
しばらくして落ち着いた桃を支えて、一緒に立ち上がった。
前を見ると、春翔が心配そうに桃に駆け寄ってきた。
もうすぐこの部屋から出て行く。
そんな時、白鷺の頭が俺を呼んだ。
「瀬崎…、」