また君に恋をする
黙って倒れていれば見逃してやろうと思っていたものも、そうはいかなくなった。
「お前の女と…、「泣き入れろ。半殺しで勘弁してやる。」」
言葉を遮る俺の声に、空気は凍った。
さて、詳しく話でも聞かしてもらおうか。
「春翔、桃頼んだ。」
「はい。」
桃に殴る姿や、喧嘩をしているところは極力見られたくない。
あいつは優しいから。
綺麗だから、中身が。
俺が喧嘩して怪我をする姿を見たくないと言う。
「奏多…、」
もうすぐ部屋から出る頃、桃は細い声で俺の名前を呼んだ。
どうせ桃のことだ。
俺が離れて行くんじゃないかとか、考えているんだろう。