また君に恋をする
「私…、強くなるね。」
まだ少し震える声で、俺の耳元で小さく囁いた。
お前は強くならなくていい。
弱いままでいい。
俺が守るから。
何があっても、どんな時でも俺が守るから。
「俺も。」
そんな意味を込めて、そう返事をした。
桃の肩に埋めていた顔を上げ、少し離れてから優しくキスを落とした。
触れるだけの小さなキス。
「大好き。」
キスを落とすと、いつもの笑顔の桃に戻った。
それでいい。
お前が笑ってくれたら、それでいい。
「帰るか。」
「あ、うん…、」
桃は納得しないような顔で返事をして、周りをキョロキョロしていた。
でも俺はあまり気に留めずにいた。
「春翔もありがとな。」
「はい。」