また君に恋をする
病院を出て駐輪場に向かおうとした私と春翔。
そんな時、春翔から「やってしまった」と言わんばかりの声が聞こえた。
「あっ…、」
「どうしたの?」
どうやらバイクを奏多くんに貸したらしい。
取りに行くのに、近くのカフェまで着いて来てほしいとのこと。
それを私に伝えたあと、少し申し訳なさそうに笑った。
「全然いいよ。行こ。」
「すいません。」
私の制服が入った紙袋を持ってくれている彼と、カフェまでの道をゆっくりと歩く。
当たり前のように荷物持ってくれて、車道側歩いてくれたり。
紳士的な春翔に彼女がいないのが、不思議だ。
そして5分くらい歩いてついたカフェ。
それはこの間、奏多くんと一緒に行ったケーキ屋さんだった。
店の前に停まっている春翔のバイクを確認して、チクリと胸が痛む。
…どうしてここにいるんだろう。