また君に恋をする
私にしてくれたことも、言ってくれた言葉だって、他の女の子にもしている。
好きな人がいる。
彼はそう言っていた。
それはあの人なのかな…。
「桃さん、溜め込むくらいなら言ってくださいね。」
沈黙を破った春翔は優しくそう言った。
隣で声を殺して泣く私の涙にも気づいてくれる。
「俺、いつでも味方ですよ。」
春翔のその言葉でプツンと糸が切れたように、溜めていた何かが溢れ出した。
「春翔…、」
「はい。」
「何で…、優しくしてくれてたのかな…。」
「…。」
「助けてくれたり、笑わせてくれたり、一緒にいる時間すっごく楽しくて…、」
泣いて話せなくなる私の言葉を、春翔は静かに聞いてくれた。
ギュッと強く握る手は、悔しさと辛さで溢れていた。
それは、隣にいる春翔に伝わっているのだろうか。
「俺は桃さんの味方ですからね。」
「…うん。」
「いつでも話聞きますから。」