また君に恋をする
「あのね、桃。」
「ん…、」
「よく聞いて。」
私の目を真っ直ぐ見る芽衣は、どこか誇らしげで、頷くしかできなかった。
「辛いこと、沢山あると思う。その度に私に頼っていいから。」
「うん…。」
「だからさ…、もうちょっと。あともうちょっとだけ…、頑張って…。」
そう言って笑った芽衣の頬を涙がつたった。
その涙は、今まで見た中で一番綺麗な涙だった。
それから何故だかお互い泣きあって、その後は笑いあった。
家が近い私たちは途中まで一緒に帰り、明日奏多くんと話すと芽衣に約束して別れた。
【頑張れ!桃!】
家に帰って、すぐに来たメール。
送信源はさっき別れたばかりの芽衣。
それを確認して私は、靴を脱いで昨日行かなかったリビングへ行った。