また君に恋をする
私はバイクのそばのベンチに座り、奏多くんが来るのを待った。
「せ…きくん…の……き……す、」
ベンチに座ってぼーっとしていると、後ろから聞こえた声。
後ろにはトイレがあって、その向こう側に人がいることがわかる。
気になった私はそっと近づき、少し顔を出した。
そこにいたのは、私と同じ水沢の制服を着た女の子。
「…奏多くん、」
後ろ姿でもわかる。
キャラメル色の髪と、大きな背中。
私に背を向けて立っているのは、久しぶりに見る奏多くんの姿だった。
告白かな…。
女の子は頬を赤めて、恥ずかしがっている様子だった。
「ごめん。俺彼女いるから。」
頭の中が疑問だらけだったのに、彼の一言で一瞬で真っ白になった。