また君に恋をする
「本祭、ぶち壊そうと思ってな。」
「は?」
「喜連の地位なんざいらねえ。俺はただ瀬崎の悔しむ顔が見たいだけだ。」
「何それ…、「お前を使ってな。」」
ドスのきいた低い声。
さっきまで怖くなかった空気が、一気に変わったのがわかった。
「私に何かして、奏多が悔しむと思う?」
「あいつの1番大切なものはお前だって、街中が知ってるよ。」
「奏多は悔しまない。」
「あ?」
「何するかわからない。あんた、殺されるかもね。」
私がフッと笑うと、私を馬鹿にしたように相手もあざ笑った。
「上等じゃねーか。」
ソファから立ち上がって私に一歩近づく男。
それと同時だっただろうか。
外から何かが崩れ落ちるような、大きな物音が聞こえたのは。