また君に恋をする
「優しくしてやるよ。」
そう言って浴衣にかけられた手。
綺麗に着付けてもらった浴衣も、仕上げてもらった髪も、全部崩れた。
「嫌!」
そう叫ぶ私の口に、男は自分の口を押し付けた。
必死に閉じていた私の口は、男の力によってこじ開けられ、中に舌が入ってきた。
首元につけていた奏多からもらったネックレスは引きちぎられ、そのまま乱暴に投げた。
ネックレスが床に転がる寂しい音と同時に、ずっと我慢していた涙が一気に溢れ出す。
頬をポタポタと伝うソレは私の弱さを示した。
グッと浴衣を下げられて、露わになる肌。
嫌だ…、奏多以外となんて考えられない。
帯をつけたまま、腰まで下げられた浴衣に次に手をかけられた下着。
終わった。
もう終わりだ。
全身の力が抜けた時、勢いよく部屋の扉が開いた。