また君に恋をする
「俺の彼女に何してんの?」
「せ…、瀬崎、」
横から伸びていた手の先を追うと、甘くて優しい声がした。
どこか余裕を持っている彼には、なんとなく見覚えがある。
宮脇の手を突き返したあとは、顔面にエルボを入れた。
早…。
ふらふらっと倒れた宮脇を見て、腰を抜かした取り巻きはすぐに逃げていった。
それを見て紐が一気に緩んだ私は、その場に座り込んで震える手をギュッと抑える。
「怪我ない?」
助けてくれた彼は、座り込んだ私の前にしゃがんで話しかけた。
「無事でよかった。」
そして、さっきとは違うように弱々しくそう言った彼をゆっくり見上げた。
薄暗くてもわかる、キャラメル色の髪と整った綺麗な顔。
笑うと細くなる優しい目。
甘い声や、どこか余裕のある雰囲気。
「あ…、病院の…、」
一度目を覚ました時に、私のことを呼んでいた人だ。