また君に恋をする
あの時の記憶はあまりないけど、綺麗な金髪だったことは覚えている。
「…そう。病院の。」
彼は私の言葉に、寂しそうに笑った。
「助けてくれてありがとうございます。」
「いいえ。」
ニコッと優しい笑顔で笑う彼は、よく見ると西校の制服を着ていた。
西校は有名な不良高校で、生徒の8割が暴走族なんだとか。
龍也や春翔も西校なわけで、もしかしたら知り合いだったり…。
「あ、あの…。」
「ん?」
私に向ける優しい目に、心がグッと揺れた。
何か…、何か大切なことを忘れている気がする。
どこかで会ったことある…?
「桃!」
「桃さん!」
ズキンと頭が痛くなった時に、聞きなれた声が聞こえた。