また君に恋をする
「桃、帰ろっか。」
「…あ、うん。」
落ち着いた芽衣は、私の手を取って立ち上がった。
「奏多、桃のこと送ってあげて。」
そして、龍也と話している金髪の彼にそう言った。
「え?」
「だってまた同じ目に遭ったら危ないじゃん。」
「そんな、私ひとりで帰れるよ。」
私に過保護な芽衣は、全く意見を曲げる気はない。
「春翔、」
「おっ、」
「俺のバイク乗ってって。」
「わかりました。」
金髪の彼は、春翔に鍵を投げた。
その鍵をキャッチして、嬉しそうに大切そうに返事をした春翔。
それを笑ってみる龍也。
この3人は、とっても仲が良いんだろうな…。
親友って感じがする。
「行こ。」
「…本当にいいの?」
「いいよ。女の子送るとか当たり前だし。」
「…ごめんね。」
私を見てニコッと笑った彼は、そのまま歩き出したので、私も後を着いて行った。