また君に恋をする


言ってから思った。


どういう意味を込めて彼に問いかけたんだろう、と。




「ご、ごめん。やっぱり…、「喜連の総長かな。」」


「え?」


「俺、喜連の総長。」


「そ、そうなの?」




…喜連の総長。


街が彼を見て騒ぐ理由が解決した。


そして龍也や春翔と知り合いなことも。




「桃は?どこの高校?」


「水沢。芽衣と同じだよ。」


「へえ、頭いいんだ?」


「まあね?」


「自分で言うなよ。」




そう言って笑う彼は、何故か寂しそう。


笑っているのに、辛さを抱えている感じ。



だけど、今日会ったばかりの私に、その意味を問うことは出来なかった。


でも、多分これからも彼と会える気がした。


彼をもっと知りたいと思った。

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