また君に恋をする
*・*・*・*
「送ってくれてありがとう。」
彼とは短い帰り道で色んな話をした。
少し彼を知れた。
たくさん笑った。
楽しいの気持ちが最近の中で、1番な気がした。
「じゃあな。」
「気をつけてね。」
家の前まで送ってくれた奏多くんの背中を、小さくなるまで見送る。
少し離れた彼の背中を見ると、何故か後悔が襲ってくる気がした。
居ても立っても居られなくなった私は、いつの間にか彼の名前を呼んでいた。
「か、奏多くん、」
意味はない。
何を言うかも考えていないのに、突発的に彼を引き止めてしまった。