昨日の夢の続きを話そう
一瞬、呼吸を忘れた。
「こ、これ……」
涙で視界が潤むので、ぱちぱちと連続で瞬きする。
動かなくなった私を不思議に思ったのか、砂岡くんは首を傾げ「香澄さん?
」ゆっくりと膝を折る。
「これ、もしかして……黄色もある?」
あのときの花だ。
ポスターで見た、白い家の周りにたくさん咲いてた花。
記憶のなかでは輪郭がぼやけて、今まで探そうと思ってどの花を見てもぴんとこなかったけど、なぜだか今、確信した。
心が優しさに満たされて、泣いちゃって、感受性が強くなっているから、ってのもあると思う。もしかしたら、記憶を捏造してより一層感傷的になりたいだけかもしれない。
でも。
心が絶対〝これ!〟って言ってる。
「うん、あるよ。鮮やかな黄色」
砂岡くんは目線を合わせ、きっぱりとそう言った。
私の記憶が間違いじゃない、と証言してくれるように力強い。
「砂岡くん、このお花、どうしたの? 買ったの?」
「もらったんだ。昔からの常連さんに」
私は指先で慎重に、一輪の花を掴んだ。
「ほんとに食べられるの?」
「うん」
「菊とかも食べるもんね、それと同じ?」
「うん。食べてみる?」
「……ううん。もらえるなら、このまま大切にしたいな。大事な思い出があるお花なの」
手のひらにのせ、胸にあてると「そうなんだ……」砂岡くんはなにかを考えるように言った。
「こ、これ……」
涙で視界が潤むので、ぱちぱちと連続で瞬きする。
動かなくなった私を不思議に思ったのか、砂岡くんは首を傾げ「香澄さん?
」ゆっくりと膝を折る。
「これ、もしかして……黄色もある?」
あのときの花だ。
ポスターで見た、白い家の周りにたくさん咲いてた花。
記憶のなかでは輪郭がぼやけて、今まで探そうと思ってどの花を見てもぴんとこなかったけど、なぜだか今、確信した。
心が優しさに満たされて、泣いちゃって、感受性が強くなっているから、ってのもあると思う。もしかしたら、記憶を捏造してより一層感傷的になりたいだけかもしれない。
でも。
心が絶対〝これ!〟って言ってる。
「うん、あるよ。鮮やかな黄色」
砂岡くんは目線を合わせ、きっぱりとそう言った。
私の記憶が間違いじゃない、と証言してくれるように力強い。
「砂岡くん、このお花、どうしたの? 買ったの?」
「もらったんだ。昔からの常連さんに」
私は指先で慎重に、一輪の花を掴んだ。
「ほんとに食べられるの?」
「うん」
「菊とかも食べるもんね、それと同じ?」
「うん。食べてみる?」
「……ううん。もらえるなら、このまま大切にしたいな。大事な思い出があるお花なの」
手のひらにのせ、胸にあてると「そうなんだ……」砂岡くんはなにかを考えるように言った。