一途な小説家の初恋独占契約
「よくお似合いです。サイズもぴったりですね」
店員さんは、すかさず褒めてくれたのに、ジョーは無反応だ。
「変……だよね」
自分で見ても、見慣れたモノトーンのスーツ姿とは一変していた。
良い方に変わったのかと浮かれたのは、早とちりだったようだ。
意気消沈して試着室に戻ろうとした私の腕を、ジョーが掴んだ。
「待って、汐璃。ごめん。あんまりキミがきれいで……」
「え?」
「似合ってる。今すぐ抱き締めてキスして閉じ込めたいくらい、かわいい」
「ジョー!?」
驚いて見返すと、ジョーは薄っすらと頬を赤らめ、フイッと横を向いた。
「見ないで。さっき言ったこと、今ここで実行しそうになる」
私は慌てて、試着室に逆戻りした。
ドキドキうるさい心臓を宥めながら、ワンピースを脱ぐ。
断りを入れてから二重になったカーテンを一つ開き、店員さんが別の洋服も持ってきた。
頭がぼうっとしていて、言われるままに着替える。
こっそり値札を確認して、驚いた。
私が買う服とは、桁が2つ違う。
そりゃ、素敵なわけだ……。
汚さないよう、傷つけないよう、気をつけて試着する。
今度は、涼しげなブラウスと、大人っぽいスカートだった。
「うん、それもいいね。色違いもあるけど、どっちが好き?」
ジョーは落ち着きを取り戻していて、次々を私に洋服を着せ替えさせた。
最後に、もう一度最初に着たワンピースを着るように言われる。
ワンピースに合わせたバッグや靴、アクセサリーも用意されると、欲しい気持ちが膨れ上がってくる。
おまけに店員さんが、簡単にヘアメイクも直してくれて、もう脱ぎたくなくなってしまうほどだった。
すごくいいお値段だけど、ボーナスで買っちゃおうかな……。
気持ちをグラグラ揺らしながら出ると、それを着たまま、2階のメンズフロアに案内された。
私の着ていたワンピースと似た質感のシャツを選ぶと、ジョーが試着する。
シャツ1枚変えるだけで、随分と印象が変わるようだ。
人の洋服を選ぶのは、楽しい。
ジョーに頼まれるまま、ジョーに似合いそうな服を一緒にいくつか選ぶと、ジョーはその服を買った。
「じゃあ、ワンピース、脱いでくるね」
「それは、もう支払い済みだよ」
「え?」
「よく似合ってるから、今日はそれを着たまま行こう」
ジョーも、ワンピースに合わせたシャツに変えている。
合わせてコーディネートするのは、カップルみたいで気恥ずかしい。
店員さんは、すかさず褒めてくれたのに、ジョーは無反応だ。
「変……だよね」
自分で見ても、見慣れたモノトーンのスーツ姿とは一変していた。
良い方に変わったのかと浮かれたのは、早とちりだったようだ。
意気消沈して試着室に戻ろうとした私の腕を、ジョーが掴んだ。
「待って、汐璃。ごめん。あんまりキミがきれいで……」
「え?」
「似合ってる。今すぐ抱き締めてキスして閉じ込めたいくらい、かわいい」
「ジョー!?」
驚いて見返すと、ジョーは薄っすらと頬を赤らめ、フイッと横を向いた。
「見ないで。さっき言ったこと、今ここで実行しそうになる」
私は慌てて、試着室に逆戻りした。
ドキドキうるさい心臓を宥めながら、ワンピースを脱ぐ。
断りを入れてから二重になったカーテンを一つ開き、店員さんが別の洋服も持ってきた。
頭がぼうっとしていて、言われるままに着替える。
こっそり値札を確認して、驚いた。
私が買う服とは、桁が2つ違う。
そりゃ、素敵なわけだ……。
汚さないよう、傷つけないよう、気をつけて試着する。
今度は、涼しげなブラウスと、大人っぽいスカートだった。
「うん、それもいいね。色違いもあるけど、どっちが好き?」
ジョーは落ち着きを取り戻していて、次々を私に洋服を着せ替えさせた。
最後に、もう一度最初に着たワンピースを着るように言われる。
ワンピースに合わせたバッグや靴、アクセサリーも用意されると、欲しい気持ちが膨れ上がってくる。
おまけに店員さんが、簡単にヘアメイクも直してくれて、もう脱ぎたくなくなってしまうほどだった。
すごくいいお値段だけど、ボーナスで買っちゃおうかな……。
気持ちをグラグラ揺らしながら出ると、それを着たまま、2階のメンズフロアに案内された。
私の着ていたワンピースと似た質感のシャツを選ぶと、ジョーが試着する。
シャツ1枚変えるだけで、随分と印象が変わるようだ。
人の洋服を選ぶのは、楽しい。
ジョーに頼まれるまま、ジョーに似合いそうな服を一緒にいくつか選ぶと、ジョーはその服を買った。
「じゃあ、ワンピース、脱いでくるね」
「それは、もう支払い済みだよ」
「え?」
「よく似合ってるから、今日はそれを着たまま行こう」
ジョーも、ワンピースに合わせたシャツに変えている。
合わせてコーディネートするのは、カップルみたいで気恥ずかしい。