キングの餌食になりまして。
「あ、」
ワイングラスが空になったことに気づき、ボトルから京極さんのグラスに赤ワインを注いだ。
「ありがとう。実知留ちゃんについでもらえると、美味しいよ」
そんなの誰が注いでも同じだろう、と心の中でツッコミを入れながらも京極さんの言葉にとびきり嬉しくなる自分がいた。
「はやく君と乾杯したいな」
「あたしだって見ているだけでなく飲んでみたいですよ……あと一年の我慢です!」
「楽しみにしているね。実知留ちゃんの誕生日にピッタリな酒、用意しておくよ」
「あたしにピッタリって?」
「そうだな。苺の入ったのにする?」
……あたしは苺大福じゃないです。
「実知留ちゃんの生まれた年のワインでもいいよね。20年モノ」
「それ……なんか素敵ですね」
「薔薇の花も20本用意しようか。それとは別に、薔薇風呂も入る?」
「お風呂にお花浮かべるってセレブっぽいですね」
「セレブだよ」
「……!」
「俺が君の欲しいもの、いくらでも取り寄せてあげるし。お願いなんでも叶えてあげる」