サンタは三人いる
「陽太兄ちゃん、元気だった?ちょっと痩せた?……今日はお仕事じゃなかった?あのね、これね、うちのお店のケーキ。何か食べるもの買って来ようかと思ったけど、もう晩御飯も済んでる時間でしょ?だからケーキとワインだけ買って来たんだけど、もし晩御飯まだなら、私何か作ー」
「ー麻里、ストップ。いっぺんに喋んないで。」
はっ、と我に返る。
「……ごめんなさい。」
陽太兄ちゃんは、口煩い女の人がちょっとだけ苦手だ。
性格は穏やかで、物静かで、あまり社交的ではない陽太兄ちゃんだけど、見た目はわりと派手で……どっちかと言うとチャラチャラした方に近い外見をしている。
染めてはいないけど、茶色で少しだけ癖のあるふわふわとした髪の毛と、ちょっとだけ色素の抜けた二重の薄茶色の瞳。高めの鼻。厚みがあって色気を感じる唇。
姿形だけを見て寄ってくる女に付きまとわれて、困らされているのを見たのも一度や二度じゃ無かったと思う。