サンタは三人いる
ほんの冗談のつもりだった。
いつまでも相手にしてもらえないお兄ちゃんに、ちょっとだけでもドキドキしてもらおうと……
って理由も冷静になってみたら、ずいぶん子どもっぽい考えだった。
あぁ……。
後悔しても、もう遅いのに。
クリスマス恒例で一人だけミニスカートサンタで接客しなきゃいけない人がいるって話を聞いた時点で、売り子としてもパティシエとしても戦力にならない自分がこれを着るのは当然の流れのように思えた。
いざ着てしまったら結構可愛いし、子どもは手を振ってくれるし、何より忙しくて格好なんて全然気にならなかったし。
だけど、こんな格好でお兄ちゃんに会いに来たなんて、私、どんだけ浮かれてたんだ?!
もぅ、消えちゃいたいくらい恥ずかしい。
身体中の血液が沸騰したみたいになって、耳まで熱くなったのがはっきりと分かる。