サンタは三人いる
「もう、帰る」


「……はぁ?何だよいきなり。来たばっかりだろ?」


そう言って私の腕を掴もうとしたお兄ちゃんの手を、思いっきりはね除けた。


「いいよ、もう!邪魔者は帰るから!私なんかじゃ誤解もされないと思うけど、彼女にちゃんと説明してよね!!」



悲しくって、悔しくって、また瞳に涙が滲む。



そのまま玄関へと向かおうとしたのに、陽太兄ちゃんは後ろから包み込むように抱き締めてきて、もがいても叩いても離してくれなかった。



ポロポロと、俯いた顔から涙が零れ落ちる。



子ども扱いは嫌だって言ってるくせに、彼女に嫉妬をして思い通りにならない感情をお兄ちゃんにぶつけてしまう私は……やっぱりわがままな子どもみたいだ。



「……私なんか引き留めなくていいから、さっさと彼女呼び戻したら?」



幼稚だし、口を開けばこんな可愛くない憎まれ口しか出てこないし。



ひっく、ひっくと子どものようにしゃくりあげて泣いていると、頭の上から大きなため息が降ってきた。

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