サンタは三人いる
「誤解するなよ。さっきのは彼女じゃないよ」


「……えっ」


「今の人は仕事仲間。この前、あの人のツテで一つ仕事を引き受けて、それがかなり日数が無くてキツかったんだ」


「その見返りにこっちも一つだけ仕事をお願いしてて、それを今日届けに来てくれただけ。個人的に依頼したものだったから」



まだ少しだけ苛立っているような話し方だったけど、私を抱き締めるその腕は少しだけ緩くなっていた。



「はい、これ。麻里に」



そう言って、抱き締めた手に持っていたプレゼントの包みを私の手に持たせてくれた。



「……ありがとう」



プレゼントの袋は、スケッチブックぐらいの大きさだった。


手に持った感触は固い。それは、私のよく知っているあの感触だった。



リボンをほどいて、中身を確認する。



予想した通り、中には一冊の絵本が入っていた。

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