素敵な王子様の育てかた。
「お帰りララ。遅かったわね、なにかあったの?」
中身の湯を取り換えバルコニーに戻ると、待ちかねたセリスが小さく声をかける。
王子たちの前に置かれていたのティーカップは既に空になっていて、お代わりを注ぎたかったようだが、肝心の私がなかなか戻らず、少し焦っていたようだった。
だがふたりは、気にせず話を続けている。
「ごめんなさい、廊下で王妃様に会って少しお話を」
「そうだったの、それじゃあ遅くなってしまうのも仕方ないわ。それよりもまず早くお茶を作って、王子たちに差し上げないと」
「そうね。急いで作りましょう」
言葉通りてきぱきとお茶を作り終え、ふたりの元へ行き、空になったカップに注いだ。
「遅くなって申し訳ありません。お代わりをどうぞ」
「ありがとう。今日の茶葉はレイル村のものかな?味も香りもとても素晴らしいね」
注ぐなり、リフィト王子がカップに手をつけながら、私に聞いた。
「ええ。レイルの茶葉は世界一のものだと思いますわ」