素敵な王子様の育てかた。
レイル村は東の山の麓にある村で、この国の領地内にある。
ここで栽培される茶葉は、国内外からも評判が高い。


「たしかにこの茶葉は最高だけど、さらにこれだけの味と香りを引き立てられるのは、ララとセリスの淹れ方が上手いからだね。私たちの侍女は美しくて仕事もできて素晴らしい女性たちだ。改めて言うよ、私たちの侍女を引き受けてくれてありがとう」

そして、リフィト王子は優しく微笑む。

さらりと褒め言葉を言えてしまうリフィト王子。
そこがリフィト王子の良いところだが、褒められることに慣れていない私は、照れて顔を少し赤らめてしまった。


「そんな……。でもお褒め頂いて光栄です」

「謙遜しなくていいんだよ。本当のことなんだから」


慣れていないとはいえ、褒められるのは素直に嬉しく、自然と笑みが出てしまう。
セリスもリフィト王子の発言を聞き、恥ずかしがりながらも嬉しそうに笑っている。

面白くなさそうなのは、ただひとり王子だけ。

少しむすっとした顔で、私たちを見つめていた。


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