素敵な王子様の育てかた。
収集がつかなくなったふたりを、後ろで見ていた国王様が宥める。
しかし、ひとたび火がついてしまったふたりは、なかなか落ち着くことはない。
「まあまあ、もう少し冷静に話をしないか」
「でもあなた!」
「ライトの気持ちはよく分かった。だが、それはライトの一方的な思いかもしれん。ここは侍女のララにも話を聞いてみようじゃないか」
そう言って国王様は私に視線を向ける。
国王様をこんなに近くで見るのは初めてのこと。
私をじっと見据える目力に、思わず足が竦んだ。
「……で、ララよ。そなたの気持ちはどうなのだ?君はライトをどう思っている?」
そこにいる全員の目が、私に向けられている。
ゴクリと息を呑んだ。
圧力に負けてはいけない。
恐れてはいけない。
この気持ちを吐き出してしまうことで、この先どうなるのか分からないけれど。
でも、唇を重ねた時に確信したから。
――私は、王子が好き。
その気持ちに、嘘なんてない。
「……王妃様、裏切ってしまって申し訳ありません。私も、王子のことをお慕い申しております」