王子様とハナコさんと鼓星


代わりに凛太朗さんがキッチンに行き、2人で料理を盛り付け5分ほどで目の前にはご馳走が並んだ。

野菜を沢山使ったコムタン風のクッパ。スプーンでゆっくりと口に含むととても美味しかった。

短時間だからあまりコクが出ていない。なんて、言っていたけれどお店で出て来てもおかしくないほどの味に凛太朗さんと同じでスペックが高いとしみじみ感じた。

比べて大した料理も出来ない自分が少し恥ずかしかった。


「では、明日から3日間は仕事を休み安静に過ごすという事でよろしいですね?私の方から支配人に話しておきます」

ご飯を食べ終わり、片付けもしてくれた後に針谷さんは凛太朗さんに再度そう確認する。迷わず彼が頷けば22時を過ぎた時計をみて脱いでいたスーツの上着に手を通す。


「わかりました。では、そろそろ私は失礼します。明日は9時にお迎えに参りますね」


「悪かったね、針谷。助かったよ」

「ありがとうございます」


ご飯を食べながら、私は2人に何が起きたのか警察官から聞いた話も含めて事細かく説明をした。

怪我の事や警察に行く事などの事を含めて針谷さんから、1週間の休みを提案されたけれど、客室清掃部のみんなに迷惑が掛かることが嫌で3日休む事で話がまとまった。
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