王子様とハナコさんと鼓星


さらに、明日警察には針谷さんがついて来てくれる事に。

凛太朗さんはどうしても外せない用事があり付き添いは出来ない。1人で大丈夫だと言っても首を縦に振らない凛太朗さんに針谷さんが呆れ半分に提案してくれた。


「じゃあ華子、針谷を玄関まで送ってくるね」

「はい」

おやすみなさい。と、針谷さんに言えば同じように返され2人はリビングを出て行った。そのあとをずっと遠くで見ていたゲンマも後をついて行く。


テーブルに置かれたお茶を飲み、ひと息つくとガチャとドアが閉まる音が聞こえ直ぐに凛太朗さんがゲンマを抱いて戻って来た。


「華子、お風呂はどうする?」

「一応、この被覆材を貼ったまま入っていいそうです。片手が使えないので、入りにくいですけど…ゆっくりと入ってもいいですか?」


「いいよ。準備してくる」

ゲンマを下ろして、凛太朗さんはお風呂を洗ってくれた。

お湯が傷に染みて痛かったけれど、なんとか時間を掛けて身体と頭を洗いお風呂を出た。


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