王子様とハナコさんと鼓星

「沢山買ってくれたんですよ。2人なのに5つも。ちなみに凛太朗さんは甘い物は苦手だけど、シフォンケーキなら食べられるからって言っていました」

凛太朗さんのお皿にはシフォンケーキ。私のお皿にはモンブラン。

フォークを手に取り「これは好きだけどさ…」と続け一口食べた。


「針谷、華子の事を気に入っているのかな。個人的にケーキをあげるとか信じられない。しかも、元気を出せとかさ」

「凛太朗さんと結婚したから、気を使ってくれてるだけですよ。でも、針谷さんって無口なイメージでしたけど…結構話す方なんですね。色々と聞いちゃいました」


モンブランを口に入れる。栗の風味と生クリームの甘みが広り、その美味しさに頬が緩む。


警察署を出てからの針谷さんは見た目やイメージと異なり凛太朗さんの学生時代の事を沢山話してくれた。

その話が終わると、やはり針谷さんは料理が得意だという事が分かり色々と聞いた。一つ一つ丁寧に答えてくれ、話はマンションに到着し別れるまで途切れなかった。


「ふぅ〜ん、楽しそうで良かったよ」

コーヒーを飲み、フォークを置く。

「それでどんな話をしたの?俺の話なんでしょ?それ、俺にも教えてよ」

(バレてる。色々と聞いたって言っただけなのに…)

少し気まずくなり、ソファーからおりて床に座ってケーキを食べる。
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