王子様とハナコさんと鼓星
「大した事じゃないですよ?成績優秀で運動神経抜群。人脈もあって、女性に大人気だった、と」
「まぁ、そうかもね。でも、ずっと完璧だったわけじゃないよ。勉強に関しては中学までは真ん中くらいだったかな。やる気もなかったから。高校に入って、本格的に宇宙飛行士になりたくて勉強をしたら、その次のテストで1番だった。それから、1番以外は取ったことないかも」
「……す、凄い」
(私なんて、1番なんて取った事ないのに。素質はあったってことか)
食べていた手を止めて、驚いて凛太朗さんを見上げると私の顔を見て失笑する。
「1番って良い響きだよね。学業でも1番を取ったから今度はこの業界で1番を取る。俺は取れるって確信しているし、自信もあるからね。最前線を向かって走る俺に敵う者はいないよ。いたとしても蹴散らせるかな」
そう誇らしげに言うとまたケーキを食べる。穏やかな雰囲気は少し変わり、私が結婚を決めた時に言い合いになった時と似ている。