王子様とハナコさんと鼓星
途中、名前と年齢を聞き、レセプションのスタッフに引き継ぎ業務に戻る。15分ほどロスしてしまい、時間までに合流出来るように急いで仕事を行う。
そのおかげで時間内に合流。道具を一度片付けてからご飯を食べると、あっという間に休憩が終わってしまった。
「はぁっ…今日は汚れてるな」
その日の午後、今度はバックヤードの掃除に回させた。数えきれないほどのスタッフが使用するトイレは汚れが酷い事が多い。
特に男子トイレは特別級。食事後は戻してしまいそうになる事も少なくない。
でも、トイレが綺麗なのは気持ちがいい。
手袋をはめて必死に便器の周りを布巾で拭くと、入り口のドアが開く。
(ん?誰か、きた?)
スタッフのトイレは暗黙のルールで清掃中は絶対に入ってはいけない。だからドアが開くことはない。
手を止めて個室から外を覗く。するとそこには凛太朗さんが立っていた。