王子様とハナコさんと鼓星


「あ、そっか。てか、私まだ華子に結婚祝いあげてなかったよね。よし、ご飯食べたら買いに行こう!」

「そんなのいいよ。ほら、急な結婚だったからさ」

「でも、お互い好きになったわけでしょ?おめでたい事には変わりないもの。社長とお揃いの寝間着とかどう?」

「…絶対に着てくれないと思う」

「そうかな?王子様だから、華子が頼めば着てくれるとおもうけどね」

凛太朗さんは特別に寝間着とかを着ているわけではない。動きやすい部屋着で寝ている。だから、寝間着を着る所は想像出来ない。

でも、お揃いの寝間着とか…素敵かも。


ご飯を食べ終えた後は、桜とまたお店を見て回る。結局、結婚祝いは目ぼしい物が無く買わずに終わった。


「迎えもう直ぐだよね?私、少しお手洗いに行って来ていいかな?」

夕方の16時過ぎ、風間さんに迎えをお願いし、二階の椅子に腰掛けながら到着の電話を待っていた。

「あ、うん。荷物見てるから行って来なよ」

「ありがとう」

桜から紙袋を2つ受け取り、肩にかける。バックを片手にトイレに向かう桜を見送りスマホをみる。まだ、電話はない。

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