王子様とハナコさんと鼓星


「俺の言う事が聞けないの?あの時、なんでも聞くって言ったよな?」

「あの時は付き合っていたから…今は、違うでしょ?私はあの人と結婚しているの。あの人が好きなの…だから、聡くんの言う事は聞けない…よ」

「なら離婚すれば?そして俺とよりを戻そうぜ。あんな顔だけがいい男なんてダメだ。俺は華子の事なら何でも知っている。なぁ、離婚しろよ。楽しくやろうぜ」

「……っ」

内臓を抉り取られるような気分だった。手が震えて、もう彼を拒否する言葉が出て来ない。

彼の言葉は私の理性を無くさせる。威圧感からにげたい、楽になりたい。これ以上は怒らせたくない。そう思うように脳内をコントロールさせる。


「ほら、スマホ出して。友達に連絡。早くしろよ」

「……っ」

耳元で囁かられる低い声。震える手をバックに伸ばしスマホを取った。唇を噛み締め取り出したスマホの画面を見れば風間さんからの着信。
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