王子様とハナコさんと鼓星


その後、先生から怪我の説明を受けた。ついこの前お世話になった先生と同じで因果関係を疑われたものそれは否定した。

足を踏み外したと説明したが、先生はどこか納得していない顔。何度も本当ですか?と、問われたもの頑なに本当の事は言わなかった。

ううん、言えなかったんだ。

桜と風間さんの付き添いで、先生から説明の後には念のために精密検査が行われた。

まさか、この短い期間に何度も検査を受ける事になるなんて考えてもいなかった。


「じゃあ、華子?仕事はしばらく休むんだよ?出勤しちゃダメだからね?」

「う、うん。今日はありがとう。またね」

「うん…またね。おやすみ」


病院を出ると外は真っ暗。風間さんは初めに桜を寮に送り届けてから、マンションに向かう。

暗い車の中を街の明かりが照らす中、ずっと黙っていた風間さんがバックミラー越しに私を見る。

「明日もお迎えにあがります」

「あ、はい。お手数お掛けします」


今日の処置は形成外科の先生に縫ってもらい、ガーゼを傷口に当てテープで固定。明日は、傷の具合を見ると言うことで病院に行かなければならない。

今日のお風呂は念のため入れない。
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